2008年4月15日(火)「しんぶん赤旗」
温室ガスなき発電 消費量の14%超す
ドイツ
ドイツで地球温暖化対策の一つとして注目されている再生可能エネルギーの発電量が昨年、前年比で13%増加して二千二百二十億キロワット時となり、電力消費量に占める割合が14・2%に達したことが明らかになりました。
ドイツ環境省が三月に発表しました。これでドイツは、二〇一〇年までに再生可能エネルギーを電力消費量の12・5%とする目標を早期達成しました。
同省は再生可能エネルギー発電により、年間一億一千四百万トンのCO2が削減され、二十四万九千人の雇用増につながったとしています。
再生可能エネルギーは、風力、太陽光、水力、バイオマス(生物資源)などで、二酸化炭素などの温室効果ガスをほとんど発生させません。
同省によると、各エネルギー別の発電量の伸びは太陽光発電が最も大きく、31%伸びて七十二億キロワット時。次いで風力発電が29%の伸びで三百九十五億キロワット時、地熱が21%伸びて二十三億キロワット時です。
再生エネルギー中もっとも発電量の多いバイオマスは、10%伸びて千五百二十四億キロワット時、水力が3%伸びて二百七億キロワット時となりました。
ドイツの電力消費に占める再生可能エネルギーの割合は、二〇〇〇年に6%だったものが、〇五年に10%を超え、〇六年は12%と年々増加。〇〇年に施行された再生可能エネルギー法で、電力会社に再生可能エネルギー電力の買い取りを義務付け、普及に大きな役割を果たしています。
ガブリエル環境相は、二〇年までに再生可能エネルギーを少なくとも電力消費量の20%にする、さらに三〇年には45%にしたいという意欲を表明しています。
一方ドイツは、原発事故の危険性から二一年までの段階的な原子力発電廃止政策を維持しています。昨年四月には各エネルギーごとの温室効果ガス排出量と発電コストの比較報告を発表しました。
原発はCO2の排出量では太陽光発電より若干優れているものの、風力発電、水力発電に劣っています。発電コストの面では化石燃料よりも優れていますが、再生可能エネルギーの中でもっともコストがかかる風力発電よりも劣っていると分析しています。
同環境相は、「原発は安くて温室効果ガスを排出しないという神話は、終わりにするときだ」と語っています。
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