2008年4月15日(火)「しんぶん赤旗」
公立高校 07・08年度授業料上げ 45都道府県
国が主導、基準40年で10倍
本紙調べ
公立(都道府県立)高校の授業料が二〇〇七、〇八年度の二年間で、鳥取県、大阪府を除く四十五都道府県で値上がりしていることが本紙調査でわかりました。東京都では月額九千六百円から一万二百円に値上げされました。多くが九千六百円から九千九百円に値上げされています。高校生からは「学費値下げ、免除制度の拡充を」との声があがっています。
公立高校の授業料は各都道府県が決めますが、総務省は地方交付税の算定基準となる授業料基準額を示しています。基準額が〇七年度に月額九千九百円に改定されました。これを受けて、同年には二十八県が引き上げています(文科省調べ)。本紙が〇七年度に改定を行わなかった十九都道府県を調べたところ、〇八年度には十七都道府県が値上げしていたことがわかりました。二年間で四十五都道府県が引き上げたことになります。(表参照)
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〇七年度の改定額が基準額に満たなかった県でも連続して引き上げていることもわかりました。
今回改定を行わなかった鳥取県は〇六年度から月額九千三百円を維持しています。担当者は「国に合わせる必要がないとの前知事の方針だ」とのべています。大阪府は二〇〇〇年度に月額九千円から一万二千円に引き上げています。
公立高校の授業料基準額は、この四十年ちかくの間に約十倍になっています(グラフ参照)。この間の物価の上昇率は約三倍です。
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年収二百万円以下が二十一年ぶりに一千万人を超えるなど、貧困が広がる下で、年額十万円を超える授業料は家計を圧迫しています。
今春大幅改定された東京都では値上げ反対の署名を集めたり、パレードを行うなど高校生の運動が広がりました。日本共産党都議団は、三月議会でも値上げではなく値下げすべきだと主張しました。
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