2008年4月12日(土)「しんぶん赤旗」
大阪知事チームが1100億円削減案
医療費助成を圧縮
私学助成縮小 35人学級は廃止
大阪府の橋下徹知事が設置した「改革プロジェクトチーム」は十一日、二〇〇八年度に千百億円の歳出削減を行う「財政再建プログラム試案」を公表しました。府民生活と子どもたちを直撃し、いっそうの困難をもたらす医療費の自己負担増や私学助成の削減、三十五人学級の廃止などで三百三十億円を削減、職員の人件費を最大四百億円減らす―などを内容としています。
試案では、高齢者、障害者、乳幼児、ひとり親家庭対象の四医療費助成について、現行月千円上限(一医療機関)の自己負担を、患者負担増となる一割の定率負担とします。
私立学校の授業料軽減助成は、助成対象と助成額を縮小。公立小学校一、二年生で実施している三十五人学級を廃止し、三十億円を削減します。
救命救急センターへの府単独補助の廃止も検討されています。
二十七の公の施設のうち、国際児童文学館など八施設を廃止、女性総合センターなど四施設を集約、羽衣青少年センターなど四施設を民営化・民間管理にします。
「解同」(部落解放同盟)が事実上運営している府人権協会、人権相談推進事業への補助金を廃止。七百五十億円赤字のニュータウン開発「箕面森町」は事業全体を点検、検証するとしています。
府議会、市町村、関係団体などとの調整や府民意見の募集を経て六月に成案をまとめ、本格予算案に反映させ、七月一日からの臨時府議会に提出する予定です。
府民批判免れない
宮原威日本共産党府議団長の談話 橋下知事は就任直後、「府財政非常事態」を宣言し、二〇一六年度で「早期健全化基準」になるとの見通しを示しています。もともと、府の財政危機は国の三位一体改革による地方財源圧迫と国の景気対策に追随した一九九〇年代の公共事業の激増の結果ですが、「試案」はそれにふれていません。八年後の見通しがつきにくいからといって府民のセーフティーネットの事業や貴重な施策を削減することには府民の批判が強まるのはまぬがれません。