2008年4月10日(木)「しんぶん赤旗」

党首討論

首相 嘆き節 懇願調

「かわいそうなくらい苦労している」


 「困っているんですから」「かわいそうなくらい苦労している」。九日の党首討論で福田康夫首相は、日銀副総裁人事が不同意になったことや道路特定財源問題で与野党協議が進まないことを嘆き、質問した民主党の小沢一郎代表に繰り返し懇願しました。二割台に支持率が急落した福田政権の行き詰まりぶりを示した討論となりました。

 「この国会運営に大変苦労しています。なかなか結論が出ない」。福田首相の最初の答弁は、参院の与野党逆転状況に対するいらだちから始まりました。

 日銀副総裁候補として提示した渡辺博史前財務省財務官が不同意になったことについては、「かつて官僚であったものがそのポストに就くのはそんなに悪いことなのか」と逆に小沢氏に説明を要求。ガソリン税などの暫定税率を復活させる歳入・税制関連法案についても「審議を促進し、話し合いの機会をつくっていただきたい」という具合です。「国会運営に苦労している」と言いつつ、求めてくるのは政府・与党の都合を優先したものばかり。とても民意を踏まえた対応とはいえません。

 小沢氏が「いまの内閣は二院制で一院(衆院)しか多数をもっていない」と述べると、福田首相が持ち出したのが、昨年の小沢氏との党首会談での「大連立」協議でした。

 「あのとき(小沢)代表の気持ちは、一緒になってやらなきゃということで会談をセットされたと思う。その気持ちを忘れてもらっちゃ困るんですよ」

 嘆き節の福田首相。最後に頼るのは「大連立」ということか。(高)


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