2008年4月9日(水)「しんぶん赤旗」

犬山市議会

教育委員増員を可決

学力テスト参加への布石

共産党は反対


 全国の公立小中学校で唯一、国の全国学力テスト(四月二十二日実施)に参加しない愛知県犬山市で八日、臨時議会が開かれ、田中志典(ゆきのり)市長は教育委員定数を一人増やし、新たな委員を任命する提案を行いました。議案は賛成多数で可決されました。日本共産党の二議員は反対しました。

 マスコミが今回の提案は「同テストへの参加を前提としたもの」と報道するなか、審議では「現場やPTAを混乱させる」「政治介入につながる恐れがある」「全国に誇ってきた教育がくつがえされるのでは」などの発言が続きました。

 日本共産党の水野正光議員は、学テ不参加を評価したマスコミ報道を紹介し、「拙速な委員増は政治の力で結論をくつがえすもの。教育の在り方の議論が先だ」と指摘。また、同党の岡覚議員は「市の教育は評価が高く、学テへの不参加も重要な情報発信。教委の議論を温かく見守るため、議案は継続とし、慎重な議論を」と求めました。

 市長は、学テへの参加を望む声が無視されている、保護者の声を反映する増員と述べる一方、教育委員会を「民意を反映する姿勢が欠落し、独裁との声すらある」と攻撃する答弁を行いました。

 議案審議を付託された民生文教委員会は「継続審議」を決定し議長に申し入れました。しかし本会議はこれを否決したため、委員会での再審議が行われ、議案への反対委員が退席するなかでの再議決という事態になりました。

 本会議での採決に先だち、岡覚議員が「あまりにも拙速で市民無視の決定は、市政に汚点を残すもの」と反対討論を行いました。



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