2008年4月8日(火)「しんぶん赤旗」
「五輪妨害すべきでない」
ダライ・ラマが声明
チベット仏教指導者ダライ・ラマ十四世は六日、亡命先のインド・ダラムサラで声明を発表し、「北京五輪開催を当初から支持してきたし、この立場は今もかわらない」と述べ、「チベット人はいかなるオリンピック妨害もすべきでない」と呼びかけました。
ダライ・ラマは、五輪開催は中国人の大きな誇りだと述べ、「中国人の心に憎しみを植えつけるのは、無益で役に立たない」行為だと指摘。「チベット人の自由と諸権利を目指すたたかいは正当な権利だ」が、「チベット人は非暴力を実践し、状況がいかに深刻であろうと、この道からそれてはならない」と訴えました。
声明は、中国でのチベット騒乱などを理由に、欧米で聖火リレー妨害、五輪開会式ボイコットが取りざたされるなかで発表されました。
六日には二〇一二年五輪開催地の英国ロンドンで聖火リレーが行われましたが、ロイター通信によると数千人が抗議。聖火のトーチを奪おうとしたり、消火器で聖火を消そうとする妨害行為があり、少なくとも三十五人が逮捕されています。
七日にパリで行われた聖火リレーは、エッフェル塔を出発した直後に妨害行為に遭い、聖火は一時消されバス内に移されました。その後聖火は再点火されリレーは再開、市南部のシャルレティ競技場に到着。次の訪問地米国のサンフランシスコに向かいます。