2008年4月6日(日)「しんぶん赤旗」
NHK番組改変訴訟
“表現の自由”問う
最高裁口頭弁論前に 原告らが集会
NHK番組改変事件訴訟をめぐって「最高裁は何を裁こうとしているのか?」と題する緊急集会が四日、東京都内で開かれました。二十四日に開廷する最高裁口頭弁論を前に、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネットジャパン)が主催したものです。
訴訟は、二〇〇一年放送のNHK番組「問われる戦時性暴力」の内容が改ざんされたとして、取材に協力したバウネットが「期待権」の侵害、「説明義務」違反を理由に、NHKと制作会社二社を提訴。昨年、東京高裁は、「国会議員の意図を忖度(そんたく)した改編」とNHKを断罪しました。
緊急集会ではバウネット共同代表の西野瑠美子さんと、弁護団長の飯田正剛弁護士ら五人の弁護士が上告審までの経緯を報告。NHKは、直接取材を申し込んだのは制作会社であることから、「自らは、バウネットの期待を生じさせるような行為を一切行っていない」と最高裁に上告受理申立をしました。
一方、バウネットは「NHKは当初から主導的に本件番組の企画、取材、制作を進めていた」として反論しています。飯田弁護士は、高裁判決が、特段の事情としたうえで認めた「期待権」の侵害と「説明義務」違反が、最高裁で認められるかどうかが焦点だと語りました。
西野さんは、「NHKは政治家との近すぎる距離を清算する貴重な機会を自ら放棄し、信頼回復の道を閉ざした」と語りました。
裁判を支援してきた田島泰彦上智大学教授は、「NHK裁判の本質は、本当の意味での表現の自由を貫き、裁判所にも認めさせることができるかだ」と発言しました。
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