2008年4月5日(土)「しんぶん赤旗」
仏、軍事委完全復帰へ
アフガン増派は700人
【パリ=山田芳進】フランスのサルコジ大統領は三日、出席中の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での記者会見で、一九六六年以来離脱しているNATO軍事委員会への完全復帰を検討していると表明しました。またアフガン国内でNATO指揮下で展開中の国際治安支援部隊(ISAF)に追加派遣する仏軍部隊が、七百人であると明らかにしました。
軍事委員会への完全復帰についてサルコジ氏は、仏独が共催を提案している来年のNATO創立六十周年の首脳会議で実現させる意向を示しました。ただ、復帰の条件として、欧州連合(EU)独自の防衛能力の向上を挙げ、「二つは同時進行で、どちらか一つではない」と強調しました。
その上で、ブッシュ米大統領がNATOを補完するものとして欧州独自の防衛の必要性に言及したことを、「米国の外交政策の歴史的転換だ」と歓迎しました。欧州独自の防衛能力の向上について、これまで米・英は、NATOと競合する危険があるとして、積極的ではありませんでした。
アフガン増派についてサルコジ氏は「アフガンの安定と復興の向上につながる」とし、撤退は「タリバンの復活とアルカイダの勝利を意味する」とこれまでの立場を正当化しました。