2008年4月4日(金)「しんぶん赤旗」
チベット問題
平和解決へ対話を
著名政治家ら呼びかけ
ノーベル平和賞を受賞した南アフリカのツツ大主教は二日、世界の著名な政治家などでつくるグループ「長老会」(エルダーズ)を代表してチベット問題で声明を発表し、問題の平和的解決のためダライ・ラマ十四世と話し合うよう中国政府に呼びかけました。
声明は「中国政府は彼ら(チベット人)の声を聞き、彼らの不満を理解し、非暴力による解決を見いだすべきである」と指摘。その上で、「こうした解決はわれわれの友人であり兄弟でもあるダライ・ラマが提起している。彼はけっして分離主義をめざしてこなかったし、常に平和的な解決の道を選んできた。重要な意味をもつ対話を求めて彼が提起している好機をとらえるよう、われわれは中国政府に強く訴える」と述べています。
さらに「いったん対話が開始されたならば、それは公開され、生産的なものにすべきである。それはチベット人の尊厳と中国の領土保全を尊重しながら緊張の中心にある問題にとりくむべきである」と強調しています。
「長老会」は世界各地で発生する紛争の解決を支援するとして、昨年七月、ネルソン・マンデラ前南アフリカ大統領などノーベル平和賞受賞者らによって創設されました。ツツ大主教、カーター元米大統領ら同賞受賞者のほか、アナン前国連事務総長らも参加しています。