2008年4月4日(金)「しんぶん赤旗」

全国一斉学力テスト
競争・格差広げる

子ども全国センター、政府に中止要請


 子どもの権利・教育・文化全国センター(東京都千代田区)は三日、「全国一斉学力テスト(学テ)」の中止を文部科学省に要請しました。同センターは中止を求める署名を提出。署名は昨年十二月提出分とあわせ、五万四千二百四十一人になりました。

 学テは昨年四月、全国の小学六年生と中学三年生を対象に四十三年ぶりに復活、今年も今月二十二日に実施が予定されています。

 要請に先だち新日本婦人の会の高田公子会長、元小学校校長の高橋昭一氏、弁護士の津田玄児氏、堀尾輝久東大名誉教授、子ども全国センター代表委員の三上満氏、全日本教職員組合の米浦正中央執行委員長らが同省内で記者会見しました。

 各氏は、学テが競争教育をあおり、子どもと学校、自治体間の格差を広げると批判、学テの中止で、子どもの健やかな成長と豊かな教育の実現を求めました。

 堀尾氏は「国際的に見ても日本は過度な競争から、子どもの人格にゆがみが生じていると国連から勧告されている」と指摘。「新自由主義的な教育改革のなかで、学テが子どもと教師、学校の格差づくり政策のなかに位置づけられている」とのべました。

 高田氏は、同会が子どもと親に実施したアンケート結果について話し、「(学力)テストの前にテストのための予備テストをたくさんした」(秋田)「市内一の学力の低い学校として『特別月間』が設けられた」(東京)などの声を紹介しました。

 会見では、堀尾氏らが小森陽一東大大学院教授、佐藤学東大大学院教授らと三月に発表した「中止アピール」に、千三百六十九人の賛同者が広がっていることが紹介されました。



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