2008年4月3日(木)「しんぶん赤旗」
温暖化防止国連部会
先進国に「歴史責任」
途上国が明確化を要求
【バンコク=井上歩】温暖化防止に関する京都議定書第一約束期間後の二〇一三年以降の国際的枠組みを話し合っている国連気候変動枠組み条約の特別作業部会は一日、二〇五〇年までの長期削減目標など「共通のビジョン」について各国が意見を出し合いました。
欧州連合(EU)は温室効果ガスを二〇五〇年までに一九九〇年比60―80%削減する目標や、交渉を速める議事日程を提案。島しょ国からは気温上昇を二度以下に抑えるべきだとの意見が出されました。途上国はインドが先進国の追加削減の約束がなければ共通のビジョンの合意はないとのべるなど、「歴史責任」を長期目標に明確化させるよう求める意見が続きました。
日本は長期目標について「法的拘束のないビジョンとして検討されるべき」だと意見表明。長期協同行動作業部会の議長が「政治的に拘束された目標だというEUとは違う意見だ」と指摘しました。
京都議定書の下で先進国の追加削減を協議する作業部会では、海面上昇の危機に直面するツバルが排出量取引に入札方式を導入し、温暖化適応のための資金に活用すべきだと提案しました。クリーン開発メカニズムについて、見直すべきだとの意見も多数出ました。
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