2008年4月3日(木)「しんぶん赤旗」
名ばかり管理職正せ
厚労省、世論に押され通達
権限や待遇もないのに管理職とみなされ、残業代が支給されないなど問題になっている「名ばかり管理職」の問題で、厚生労働省は一日付で、全国の労働局に、企業に対して適切な監督指導を行うよう求める通達を出しました。
人件費削減のため管理職と決めつけて残業代も払わないやり方が横行するなか、マクドナルドの店長が管理職(管理監督者)にあたらないとして訴えた裁判で一月、東京地裁が残業代の支払いを命じるなど、是正を求める世論と運動の広がりに押されたものです。
労働基準法では、管理監督者に該当すれば、残業代の支払いなど労働時間の規制を適用除外できると定めています。
通達では、「十分な権限や待遇を与えていないにもかかわらず、管理監督者と扱っている例もあり、なかには著しく不適切な事案もみられ、社会的関心も高くなっている」と指摘しています。
管理監督者とは、(1)労務管理について経営者と一体的な立場にある(2)時間規制を超えて働くことが要請される重要な職務と権限を有する―など現行の解釈例規をあげて、「いわゆる管理職が直ちに管理監督者に該当するものではない」「職務内容や責任と権限、勤務態様に着目し、賃金などの待遇面についても留意しつつ総合的に判断する」よう指摘。企業に対し、正しい理解が得られるような十分な周知徹底と適切な監督指導を実施するよう求めています。
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