2008年4月2日(水)「しんぶん赤旗」

米は温室ガス削減を

温暖化防止国連部会 途上国が要求


 【バンコク=井上歩】京都議定書第一約束期間後の二〇一三年以後の国際的な温暖化対策の枠組みを話し合う国連気候変動枠組み条約の特別作業部会の初会合(バンコク)は、一日まで全体会議が開かれ、発展途上国からは米国に他の先進国並みの削減努力を求める意見や、先進国からの技術、資金支援の重要性を訴える声が相次ぎました。

 途上国は、温暖化の進行が加速していると危機感を強めています。モルジブなどが、平均気温上昇を二度以内に抑えるため先進国は二〇年までに一九九〇年比で温室効果ガスを25―40%削減すべきだと強調しました。中国は先進国から途上国への技術移転のための基金創設を提案しました。

 ブラジルは先進国の歴史的責任を強調し、インドが米国を念頭に「京都議定書を批准していない先進国」は他の先進国と同様の約束をすべきだと述べました。

 日本は、九〇年となっている数値目標の基準年を見直すべきだと主張。同時に開催されている京都議定書締約国の作業部会では、産業分野別の削減量を積み上げて目標を決める方式を訴えました。この方式が三月の気候変動対話で途上国から強い批判をあびたことを念頭に、「(先進国と同じ)単一基準を途上国に適用しようとは思っていない」と弁明しました。これに対して中国が分野別アプローチは「削減目標に取って代わるものとなってはならない」とクギをさしました。

 京都議定書作業部会は、森林による温室効果ガス吸収などについて意見を出し合います。今回は結論の草案づくりまでを予定しています。「先進国の命運を決める場で、ここで進展がないと途上国が動いてこない」(NGO関係者)として注目されています。



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