2008年4月1日(火)「しんぶん赤旗」

「もんじゅ」直近に活断層

原研機構が認める

敦賀・美浜原発にも


 高速増殖炉「もんじゅ」の直近に活断層があることを、日本原子力研究開発機構が認めました。日本原子力発電の敦賀原発、関西電力の美浜原発も、直近に活断層があることが明らかになりました。原発の耐震設計審査指針が改訂されたのを受けて行った見直しの結果が三十一日、国に報告されました。

 日本原子力研究開発機構は三十一日、もんじゅ(福井県敦賀市)の原子炉直近に長さ十五キロメートルの活断層が存在することを、新たに認定する報告書を国に提出しました。マグニチュード(M)6・8の地震を引き起こす可能性があるとしています。

 今回、原子炉直近で新たに活断層として認定された「白木―丹生(にゅう)断層」はこれまで、長さ二・四キロメートルと六・四キロメートルの一部分だけが活断層として評価されていました。同断層は、原子炉建物の西側、数百メートルの距離を南北に横切っています。

 また、再評価された十八の活断層のうち、同断層を含む十二の活断層について、これまで過小評価されていたことも明らかになりました。

図



 もんじゅ プルトニウムを燃料とし、使用した以上のプルトニウムを生み出せるとして開発された原子炉(高速増殖炉)。“原発先進国”がこぞって開発に取り組みましたが、重大事故が続発し、開発を断念しました。もんじゅも、一九九五年にナトリウム漏れ・火災事故を起こし、運転を停止していますが、国は運転再開を目指しています。


揺れの強さ大幅見直し

各電力会社

 北海道、東京、関西、九州、日本原子力発電の各電力会社は三十一日、原発の耐震安全性評価について国に報告しました。

 東京電力は福島県の福島第一、第二原発について、両原発の北側をほぼ南北に走る「双葉断層」の長さを、これまでの十八キロメートルから四十七・五キロメートルに変更。また、両原発の沖合海底でM7・9の地震が発生する可能性があるとして、これらの地震が発生した場合、揺れの強さが最大六〇〇ガル(ガルは加速度の単位)となると想定しました。これまでは両原発とも最大の揺れの強さを三七〇ガルとしていました。

 関西電力は、福井県にある美浜、大飯、高浜各原発について、周辺の断層の評価をし直した結果、美浜、大飯各原発の揺れの強さを六〇〇ガルに、高浜原発の揺れの強さを五五〇ガルに策定したとしています。

 これまでは、美浜、大飯各原発が四〇五ガル、高浜原発が三七〇ガルでした。

 九州電力は、佐賀県にある玄海原発と鹿児島県にある川内原発について、揺れの強さを、それぞれ、五〇〇ガルと五四〇ガルとするとしました。

 これまでは、玄海原発が三七〇ガル、川内原発が三七二ガルでした。

 北海道電力は泊原発について、揺れの強さをこれまでの三七〇ガルから五五〇ガルへ変更。日本原子力発電は、福井県にある敦賀原発と茨城県にある東海第二原発について、揺れの強さを、それぞれ五五〇ガルと五〇〇ガルに変更しました。これまでは敦賀原発が五三二ガル、東海第二原発が三八〇ガルでした。


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