2008年3月30日(日)「しんぶん赤旗」

ペソ段階的切り上げ

二重通貨体制改革に着手

キューバ


 【ハバナ=島田峰隆】ハバナ大学付属キューバ経済研究所によると、同国政府は四月以降、キューバ・ペソの対兌換(だかん)ペソ・レートを段階的に切り上げることを決め、実質賃金が低くなっている原因となっている二重通貨体制の改革に着手し始めました。

 同研究所関係者によると、当面キューバ・ペソを8%切り上げ、最終的には一兌換ペソ=十五キューバ・ペソにまで引き上げるのが目標だといいます。

 キューバでは、米ドルと等価の兌換ペソと現地通貨ペソが流通しています。交換レートは一兌換ペソに対し約二十四キューバ・ペソ。ほとんどの物資は兌換ペソで購入するため、給与をキューバ・ペソで受け取る国民の実質賃金はかなり低くなります。

 ラウル・カストロ評議会議長は二月の就任演説で、「キューバ・ペソの慎重かつ漸進的、段階的な価値回復」の「適切な時期での導入に関するすべての問題を検討しつつある」と述べていました。

 同議長が昨年呼びかけた国民討議では、賃金の改善要求が多く出ました。共産党機関紙グランマ二十八日付の討論欄は、労働意欲を回復させるには実質賃金の引き上げが不可欠だとする市民の投稿を載せています。


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