2008年3月29日(土)「しんぶん赤旗」
都政不信
都庁前 責任問う声
新銀行東京に400億円追加出資
破綻(はたん)した新銀行東京への四百億円の追加出資を東京都議会本会議は二十八日、自民、公明両党の賛成多数で可決しました。「世論調査なんか気にしたら政治なんかできません」と開き直る石原都政に対し、都民から不信の声が寄せられました。
「知事は抜本的な対策を説明もせず、四百億円を出せという。いいかげんな話だ」
都庁に許認可の手続きに来たという男性(63)は、石原知事が当初から問題を指摘されていたにもかかわらず、これを押しきって新銀行を進めてきた責任を指摘します。「知恵をしぼらずに、人の話にも耳を貸さない。旧経営陣のせいにせず、自ら責任を取るべきだ」
都庁近くの取引先企業を訪問する途中という男性(45)=渋谷区=は「小手先だけの追加融資は破たんを先延ばしにするだけ。また繰り返そうというのか。はやく処理すべきだ」。
仕事で都庁に来たという他の男性(61)は「新銀行東京は無駄そのもの。設立にしろ追加融資にしろ、賛成した政党、議員にも責任を問いたい」。
司法書士事務所で補助員として働く女性(24)=中野区=は「四百億円もあれば他のことができたのに。これ以上、先の見えない計画にお金を使わず、都民のためになることを考えてほしい」。
「融資すべきか意見を持てない」というのは、大学を卒業したばかりの男性(22)=府中市=。理由は「注意して報道を見ても、新銀行東京の経営状態の細部については情報がない」から。「都民の税金を使っているのだから、東京都はもっと情報を開示するべき」と話しました。