2008年3月29日(土)「しんぶん赤旗」

温室ガス排出量 電力・鉄鋼 上位

企業名初公表

9000社が国内5割占める


 二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量の多い事業所について、環境省と経済産業省は二十八日、企業名などを初めて公表しました。

 二〇〇六年度は、直接排出でみると、東京電力など石炭火力発電所を増やしてきた電力会社と、JFEスチール、新日本製鉄、住友金属工業など鉄鋼、セメント業界が上位を占めています。

 報告対象となった約七千五百社(約一万四千二百事業所)と運輸・輸送業界の約千四百社で、国内全体のCO2排出量の約五割を占めていました。

 二〇〇五年に温暖化対策促進法に盛り込まれた報告・公表制度にもとづいて、都道府県、企業や事業所ごとに排出量を集計し公表しました。

 もっとも多かった事業所は、大規模石炭火力発電所の中部電力碧南火力発電所。しかし、今回の発表では排出量が上位のJFEスチール、新日本製鉄など鉄鋼業界など十四社三十六事業所の個別のCO2排出量が非開示とされ、上位を占めた鉄鋼の事業所の排出実態は明らかになっていません。

 今回の非開示の理由について、両省は、事業者からの「一部の排出量を公表することにより競争上の利益が害されるおそれがある」とする「権利利益の保護」の請求を甘利明経済産業相が認めたものと説明しています。

 政府はこれまで省エネ法にもとづくCO2排出量の報告実態を非公表としてきました。環境NGO(非政府組織)の気候ネットワーク(浅岡美恵代表)が開示請求訴訟をおこし、大量排出源の実態を分析した結果を三度にわたって公表していました。

表


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