2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」
トヨタ・松下・伊藤忠…
大企業に天下り続々
07年76人 財務省最多30人
トヨタ自動車、松下電器、伊藤忠商事…。人事院は二十六日、二〇〇七年の国家公務員の営利企業への再就職状況をまとめた年次報告(天下り白書)を国会と内閣に提出しました。大企業への天下りが後をたっていません。
本省の課長級以上の幹部職員らが出身官庁と密接な関係にある営利企業に再就職する場合、人事院の承認が必要で、○七年に承認を受けた人数は七十六人。前年より七人増えました。
内訳を見ると、財務省が三十人で最も多く、国税庁十一人、国土交通省七人、経済産業省五人と続いています。
おもな天下り先は、法務省の松尾邦弘検事総長がトヨタ自動車の社外監査役、警察庁の竹花豊生活安全局長が松下電器産業の参与、財務省の竹嶋孝育北海道財務局長が関西国際空港の常務など。年金記録不備の責任をとって更迭された社会保険庁の村瀬清司長官は古巣の損害保険ジャパンの顧問です。(表参照)
再就職に至る経緯のうち、「官のあっせん、仲介などによる就職」は二十一人(約27%)で、前年の約44%より減少しました。
各省庁が承認する本省の課長補佐以下の営利企業への再就職は、五百九十一件で前年より二十件減りました。
天上がりも
一方、営利企業から各官庁への天上がりも。人事院が同日提出した「官民人事交流に関する年次報告」によると、〇七年に国の機関が、新規に企業から受け入れたのは、三十一人(前年五十人)。同年末時点で国の機関に在職しているのは九十一人(同九十五人)となりました。
逆に国の機関が企業に新規派遣した国家公務員数は二十二人(同十六人)、同年末時点に民間企業に在職しているのは三十六人(同二十四人)で、それぞれ過去最多となりました。
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