2008年3月26日(水)「しんぶん赤旗」
「18歳選挙権」、法制審諮問どう考える?
〈問い〉 日本共産党は歴史的にも成人年齢の引き下げを求めてきたと思いますが、鳩山法相の成人年齢18歳引き下げの是非についての法制審議会諮問について、どう考えていますか?(長野・一読者)
〈答え〉 鳩山邦夫法相は、2月13日、法制審議会(法相の諮問機関)に、民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げることの是非について諮問しました。
これは、昨年5月に成立した改憲手続き法(国民投票法)が、投票年齢を原則18歳以上としつつ、付則で、2010年5月の施行時までに、公職選挙法、民法など関連法の整備をおこなうように求めたことを受けたものです。
日本共産党は、綱領で「18歳選挙権を実現する」と定め、その実現へ力をつくしています。党創立(1922年)時から、「18歳以上のすべての男女にたいする普通選挙権」と掲げてきました。
いま、日本社会の現実や、若い世代の社会参加の実態にてらしても、18歳選挙権の実現は、避けることのできない課題です。
現在の法体系でも、18歳から20歳未満の青年は、労働法や納税義務などで事実上の成人として社会的な義務を負わされており、自動車普通免許の取得などでも成人として扱われています。その一方で、選挙権という政治上の権利を保障しないというのは、青年にたいする社会の対応として、一貫性を欠きます。
少年法にかかわって、18歳以上20歳未満の青年を「少年」として扱うことから起きる矛盾も生まれています。
世界では、選挙制度がある189カ国のうち、約9割にあたる166カ国の選挙権年齢が「18歳以上」です(国会図書館調査)。「子どもの権利条約」でも、「子ども」の定義は「18歳未満」です。
日本の政府が選挙権年齢を満20歳と規定している(公職選挙法)のは、1896年に定められた民法の「満二十年ヲ以テ成年トス」という規定によるものです。これは、その後の社会の発展、教育水準や進学状況の変化、それらにともなう青年の肉体的、知的、精神的な発達などにてらして、実態にあわなくなっています。
18歳以上の青年に選挙権とともに、社会を構成する「成人」として一人前の法的・社会的な責任を果たすことを求める改革は、国際水準からの日本の政治の立ち遅れを克服するとともに、若い世代のあいだに21世紀の日本をきずいてゆく主役としての新しい流れをおこす力となるものでしょう。(坂)
〔2008・3・26(水)〕