2008年3月26日(水)「しんぶん赤旗」

契約社員化は違法

東武スポーツキャデイー勝訴

東京高裁


 栃木県壬生(みぶ)町にある宮の森カントリー倶楽部で働く女性キャディーら二十五人が、正社員から一年契約の有期雇用に一方的に変えられ、賃金を大幅に切り下げられたのは無効だとして、経営する東武スポーツ(東武鉄道の子会社)を訴えた判決が二十五日、東京高裁でありました。

 稲田龍樹裁判長は、「労働条件変更は経営上の高度の必要性が認められず、手続きも合理的といえない」として、現職キャディーら二十人について正社員との差額賃金など約一億三千万円の支払いを会社側に命令。変更時に退職に応じた保育士ら五人は、賃金減で退職に追い込まれたと認めず、請求を退けました。

 訴えていたのは、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)東武スポーツ支部の組合員。同社は東武鉄道のリストラ計画を受けて二〇〇二年、「給料はさほど変わらない」などといって有期雇用への変更に応じさせ、平均24%もの賃金ダウンを押し付けました。

 一審の宇都宮地裁は〇七年二月、労働条件変更は「錯誤により無効」として地位確認と差額賃金支払いを命令。高裁判決は、変更の必要性について「グループの存立に差し迫った影響を与える事態ではない」と指摘。変更手続きもずさんで「労働条件の変更の合意が成立したと認めることはできない」と断じました。

 記者会見で浅見和子書記長は「キャディーは一年余も自宅待機させられています。直ちに職場復帰させるよう求めていく」と表明。佐々木新一弁護士は、身分の変更合意は、丁寧な説明と本人の納得が得られなければ合意とみなさないとしたことを評価し、「同じ状況に置かれる労働者が増えるなかで、励みになる判決だ」とのべました。



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