2008年3月25日(火)「しんぶん赤旗」

沖縄戦記述訂正の審議資料

文科省が全面不開示

報道発表文も


 文部科学省は二十四日までに、本紙記者が情報公開法にもとづいて請求した教科書検定審議会の資料を全面不開示としました。資料のなかには昨年十二月にいったん報道発表した文書も含まれており、文科省も部分的に開示できる資料があることを認めています。全面不開示は渡海文科相が唱えている検定の透明化に逆行し、情報公開法に反する可能性もあります。

 本紙記者が開示を請求したのは、高校日本史教科書を発行する教科書会社六社が出した沖縄戦「集団自決」記述の訂正申請について、同審議会が審議したさいに文科省が委員に配布した資料。

 このなかには、昨年十二月に同省自身が報道機関に公表した同審議会日本史小委員会作成の「高等学校日本史教科書の訂正申請に関する意見にかかわる調査審議について」も含まれています。

 文科省は、この文書も含めて情報公開法五条が不開示情報と定めた「公にすることにより当該事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」などに該当するとして全面不開示としました。同省教科書課は「配布した資料のなかには(情報公開法五条に該当せず)開示できるものもあるが、全体を一つとして考え、不開示とした」としています。

 しかし、同法六条は「不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない」としています。今回の文科省の措置はこれに反する疑いがあります。

 「集団自決」の記述に対する検定では審議会の非公開性が問題となり、渡海文科相は透明性を向上させるとして審議会に検討を求めています。



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