2008年3月24日(月)「しんぶん赤旗」
“最良の支援は南米と距離をとること”
ブラジル国防相が米国防長官に表明
【メキシコ市=島田峰隆】ブラジルのジョビン国防相は、十八日からの訪米中、ブラジルが推進している南米諸国による安全保障協議会構想に米国が関与しないよう強く求めました。ブラジル紙などが伝えました。
南米安保協議会の設置は、ブラジルのルラ大統領が提唱。南米地域の紛争解決、組織犯罪対策、共同軍事演習の実施などが目的です。ジョビン国防相は「北大西洋条約機構(NATO)のようなものではなく、南米の防衛に関する問題を統合するものだ」と説明しています。
ジョビン国防相は二十日、ゲーツ国防長官と会談。南米安保協議会の構想を聞いたゲーツ長官が、「われわれは何ができるだろうか」と述べたのに対し、ジョビン国防相は「最良の支援は、距離を取ることだ。これは南米が取り組んでいることだ」と応じたといいます。
同国防相は、ライス国務長官との会談でも、ブラジルが協議会を招集することについて「許可を求めることはしなかった」と強調しました。実はライス国務長官は、同国防相の訪米に先立つ十三日、同協議会に関して「ブラジルとの調整を期待している」と述べていました。
ブラジルは、南米安保協議会を次回の南米諸国連合首脳会議に提案する予定。ジョビン国防相は、構想を説明するために四月十四日のベネズエラ訪問を手始めに南米各国を順次訪問します。