2008年3月21日(金)「しんぶん赤旗」

融資先21%が都外企業

新銀行東京 設立趣旨にそぐわず


 新銀行東京(東京都千代田区大手町、津島隆一代表執行役)の融資・保証取引件数の二割強が東京都外の企業で、金利負担が大きすぎて倒産、融資が焦げ付いたケースも生じていたことが十九日までにわかりました。同行は累積赤字が一千十六億円(三月末見込み)と経営破たん状態に陥り、四百億円追加出資を提案している石原慎太郎都知事の責任が問われています。

 東京都によると、新銀行の二〇〇七年十二月末時点の融資・保証残高は一万一千六百十一件、二千五百四十五億円にのぼります。このうち設立趣旨にそぐわない都外の企業の残高は二千四百六十件(21・2%)、金額は三百十九億円(12・5%)ありました。

 新銀行から融資を受けた神奈川県川崎市の建設関連企業(資本金五千万円)は、二〇〇六年十月に倒産、同行の債権額は三千万円で、破たん原因は金利負担の増加でした。富山県富山市の印刷関連企業(資本金三百万円)は〇六年十二月に破産、新銀行の債権一千三百万円余が回収不能となりました。岐阜県恵那市の食品関連企業(資本金約四億九千万円)は〇七年九月に破産し、同行からの一千九百万円余の融資が焦げ付きました。

 新銀行東京は、都内の中小企業への融資を目的に、東京都が一千億円を支出して設立したものの、高金利で中小業者には不評でした。石原都政は、新銀行設立前に作成したマスタープランで過大な融資目標と、「スピード審査」を売り物にしたずさんな融資審査システムをつくり、新銀行の取締役会や株主総会で「融資目標の達成を」と、はっぱをかけてきました。


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