2008年3月21日(金)「しんぶん赤旗」
新銀行東京の追加出資
真相隠しに手を貸す自・公・民
与党議員からも批判の声
新銀行東京への追加出資を審議している東京都議会予算特別委員会で、日本共産党が要求した旧経営陣の参考人招致や、同行が石原慎太郎知事に提出した調査報告書全文の議会への提出要求も拒否し、真相隠しに手を貸している自民党、民主党、公明党の対応に、与党議員からも批判があがっています。(岡部裕三)
十三日の同委員会で大山とも子都議が提出した動議は二つで、(1)仁司泰正元代表執行役の参考人招致(2)新銀行が都に提出した調査報告書全文の提出―を求めました。三宅茂樹委員長(自民)は参考人招致だけを採決にかけ、報告書については採決せず、紛糾しました。
同日午前に開いた同委の理事会では、日本共産党が参考人招致と報告書全文の公表を主張。民主は二項目とも賛同、公明も報告書提出に賛同していました。
ところが同日午後の理事会では、報告書について、都産業労働局に全文提出ができるかどうか三宅委員長から問い合わせることを自民党が提案。都側から提出拒否の回答があり、自民、民主、公明の三党は報告書全文の公表を要求しない態度をとりました。当初の開会予定から七時間遅れの午後八時前に開会した委員会で、佐藤広産業労働局長が提出拒否の理由をのべました。
日本共産党はこれに納得せず、二つの動議を提出したものです。
動議は、経営破たんの真相究明を求める都民の声にこたえたもので、数の力で封じたあとも、自民党都議から「新銀行の再建計画はでたらめだし、追加出資の根拠もあいまいだ。報告書を提出させて審議すべきだ」「動議を採択しないのは異常だ」「裏に何かあるのではないかと疑われてしまう」との声があがっています。
新銀行の調査報告書は現経営陣が作成したもので、経営悪化の全原因を仁司元代表らになすりつけ、石原知事はこの報告書をもとに自らの責任をたなにあげています。
経営破たんと追加出資問題を究明するうえで、参考人招致と報告書の全容をもとに、徹底論議することは、都民の世論でもあり、都議会の責務です。真相解明にフタ隠しをしたまま審議をすることは、都議会のチェック機能を自ら投げ出すことにほかなりません。