2008年3月19日(水)「しんぶん赤旗」
インフレ抑制が重要
全人代閉幕 温首相「社会正義実現を」
中国
【北京=山田俊英】北京で開かれていた中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)第十一期第一回会議は十八日、政府活動報告や二〇〇八年度国家予算などを賛成多数で採択し、二週間にわたった会議を終えました。温家宝首相が記者会見し、インフレの抑制、社会正義の実現を今期五年間の重要課題にあげました。
温首相は二時間以上にわたって内外記者の質問に答えました。「いま最大の困難は速すぎる物価上昇とインフレ圧力だ」と指摘。同時に食料備蓄は増え、工業製品も供給過多だとし、「物価高騰を抑え込める」との確信を語りました。
また、「公平と正義は社会主義国家制度の最も重要な価値だ」と述べ、「民生改善は政府の天職だ」と強調しました。
閉幕式では胡錦濤国家主席が演説し、「人民を主人公に、法に基づいて統治し、社会の調和、安定を確保しよう」と呼びかけました。
代表(議員)による採決で、汚職問題を扱った最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院の報告にはいずれも22%の反対・棄権票があり、結果が発表されると会場がどよめきました。政府や司法機関の対応に不満が強いためとみられます。
〇七年度決算・〇八年度国家予算にも16%が反対、棄権しました。会議の中では社会保障や農業の予算をさらに増やすよう求める意見が出ていました。