2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」

謝罪と再発防止策を

IHI事故 遺族が申し入れ

愛知


 IHI愛知事業所(愛知県知多市)内の爆発事故で死亡した労働者の遺族らは十四日、発注元の同社に謝罪と再発防止策を申し入れ、名古屋市内で記者会見しました。

 事故は昨年八月、同事業所敷地内にあるIHI子会社ISAT知多工場の大型運搬船建造現場で発生。船内で塗装作業をしていた光参創業社員・山高聡一さん=当時二十四歳=と杢尾(もくお)辰己さん=同二十二歳=が死亡し、同僚数人も負傷しました。

 関係者によれば、作業現場はほとんど密閉され、当日は換気用の送風機も設置されず、塗装用の有機溶剤の濃度が極めて高い状態だったといいます。

 記者会見で聡一さんの父、邦利さん(54)=長崎県佐世保市在住=は、「IHIは無関係を装っていますが発注元としての責任があるはずです。事故の原因についていまだに説明がなく、一言の謝罪もありません。息子の死がムダにならないよう、安全対策をしっかりやってほしい」。

 辰己さんの妻、ゆかりさん(18)=同=は、一歳の長男を抱えて会見。「家族三人でがんばって生きていこうとしていた矢先のことで、本当に悔しい。下請け(労働者)に対して、会社(IHIおよびISAT)は責任を果たしてほしい」と、ときおり涙をにじませながら語りました。

 遺族らはこの日、事故現場を訪れ、IHI、ISAT両社と、知多警察署、半田労働基準監督署に事故原因の解明と再発防止策を要請しました。

 同席した遺族代理人の竹内平弁護士は、「業務は丸投げしても、作業現場の安全対策は当然、発注者側に指導監督の責任があります」と話します。


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