2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」
イラク侵略戦争5年
米帰還兵の証言始まる
住居と知って発砲
今こそ終わらせる時
【ワシントン=鎌塚由美】米軍のイラク占領の実態を告発する証言集会が十三日にワシントン近郊で始まりました。それを前に主催者団体「反戦イラク帰還兵の会」(IVAW)が同日、ワシントン市内で記者会見。「今こそ違法なイラク侵略を終わらせるときだ」と強調しました。
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「ウィンター・ソルジャー」と題する証言集会は十六日まで連日開かれ、約五十人の帰還兵が証言します。その模様は、インターネットで中継されます。
会見には、証言する帰還兵や現役兵士六人が出席しました。イラクに四度駐留した現役の陸軍三等軍曹セリーナ・コパ氏は、多くの友人兵士の葬儀に出席してきたことに言及。「イラク占領は米国を傷つけ、兵士や軍人家族を傷つけている」と語り、「イラク占領は、われわれが憲法に誓った国を守ることではない」と断言しました。
陸軍の衛生兵としてバグダッドに駐留した帰還兵のジェイソン・ハードさんは、「私の部隊は、護送作戦で、市民が居住している建物だと知っていながら、無差別に発砲した」と告白しました。またイラク人男性がハードさんに「自動車爆弾や米軍からの発砲を恐れ、学校へ通う子どもたちの安全を心配する必要は、米軍の侵攻前には無かった」と訴えたことを紹介。この訴えを聞いたときが「イラク侵略の不道徳に気づいた瞬間だった」と語りました。
IVAWには現在、イラク、アフガニスタンに派遣された兵士や帰還兵を含め八百人が参加しています。同会は▽イラクからの米軍の即時撤退▽帰還兵への支援▽イラク国民への補償―の三点を要求しています。
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