2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」

人権侵害の真相明かせ

JAL乗務員監視訴訟 原告が陳述


 日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)所属の客室乗務員ら百九十四人が「個人情報を無断で収集され情報ファイルを作成されたことで、人権を侵害された」とJAL労働組合(JALFIO)と五人のJALFIO役員を相手に損害賠償を求めている訴訟の第二回口頭弁論が十四日、東京地裁でありました。

 監視ファイルは、日本航空インターナショナル(日本航空)とJALFIOが労使一体となり、九千八百六十二人の客室乗務員について作成。職場内外にわたる生活・行動のほか、病歴や制限乗務、昇格など会社しか知り得ない情報も多く記載されていました。

 提訴時には被告に日本航空が加えられていました。しかし二月七日に開かれた第一回口頭弁論で会社側は、「事実無根であり、強く否認する」とのべる一方で損害賠償に応じ、訴訟を一方的に終了させました。

 口頭弁論には原告を代表して飯田幸子さん(原告団事務局長)が意見陳述書を提出。「原告が真に求めているものは、違法な人権侵害や行為を行っていた事実を明らかにさせ、二度とこのような人権じゅうりんを行わせないこと。自由に物が言え、チームワークを発揮し安全運航を確立させること」とのべています。

 あわせて、労働組合の本来の目的は会社から独立して労働者の人権や労働条件、経済的利益を守ることであることを指摘して、「被告組合は被告会社と一体になって行っていた人権侵害や違法行為を否認するだけでなく、単なる情報流出事件として本質をすり替える態度をとっている」と批判。JALFIOが人権じゅうりんや違法行為の事実を認め、監視ファイル対象者と家族へ真摯(しんし)に謝罪することを求めています。

 口頭弁論後の記者会見で堀浩介弁護士は、被告JALFIOと同労組役員との訴訟を継続するために、損害賠償請求額を原告一人当たり一万円の増額をしたことをのべました。

 飯田原告団事務局長は、現在も日本航空内の各職場で人権がじゅうりんされる実態が続いていることをのべ、「謝罪、人権じゅうりんを二度と行わないことの内外への表明を求めます」と発言。内田妙子CCU書記長は、日本航空との交渉の場で謝罪など早期解決を求めていく決意を話しました。


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