2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」
再生可能エネ施設を視察
温暖化防止政策 共産党調査団 独バイエルン州で懇談
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【ミュンヘン=岡崎衆史】温暖化防止政策に関する日本共産党調査団(団長・笠井亮衆院議員)は十三日、ドイツ南東部のバイエルン州で、バイオマス熱・電気併給施設など再生可能エネルギー関連施設を視察し、州当局者らの説明を受け、懇談しました。
調査団は同日午前、同州州都ミュンヘン南郊のザウアーラッハ市(人口約七千人)庁舎でワルター・ギグル第一市長の歓迎を受けたあと、同市長とともに、市内のバイオマス熱・電気併給施設と採掘中の地熱利用施設を訪れました。
施設は、市民と市が出資や運営で中心的役割を担う有限会社が運営。二〇〇二年に稼働を開始した木質バイオマスを利用した施設は、現在、同市の六割の世帯に暖房用熱を安定的に供給し、二酸化炭素(CO2)排出量をこれまでより半減させたといいます。これまで欧州委員会や中国などの代表が施設の視察に訪れていますが、日本からは初めてだといいます。
調査団は午後、ミュンヘン市内で、バイエルン州農林省のルペルト・シェフター課長(農業・再生原料担当)から、食料生産とのバランスをとりながら、ナタネ油や木材などのバイオ燃料利用を進めている同州の再生可能エネルギー拡大の取り組みについて詳しい説明を受けました。
シェフター課長によると、バイエルン州は一九九〇―二〇〇七年までに二億二千六百万ユーロ(約三百五十五億円)を研究や木質バイオマス暖房補助に拠出。同課長は、現在は州内のバイオガス施設が千三百を超えるなど、バイオ資源の有効利用を通じて、「三十年来衰退してきた農林業に希望が持てるようになった」と語りました。
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