2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」
被爆者の要求拒む
厚労省 従前の認定例に固執
原爆症認定問題解決に向けた、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、集団訴訟の原告団、弁護団の三団体と厚生労働省との第三回協議が十四日、東京都内でおこなわれました。協議は非公開です。
記者会見した全国弁護団連絡会の宮原哲朗事務局長は、認定制度見直しにあたり三団体が出した要求書について、厚労省側が再度、受け入れを拒否したとのべました。
宮原氏は、厚労省が、十七日の原子爆弾被爆者医療分科会で原爆症認定の新基準案の承認を得て、四月から新基準による認定審査を実施したいと表明したことを明らかにし、「協議が空転するもとで見切り発車することは絶対に容認できない」と強調しました。
弁護団によると、協議で厚労省側は、新基準案への理念の明記を拒み、「疑わしきは認定」という考え方は受け入れられないとし、がんや白血病を無条件に認定することは考えていないとしました。積極的認定の範囲に入らない疾病や被爆者については「従前の例に従って審査する」としたことから、弁護団は「全部却下ということに等しい」と反発。要求が受け入れられなければ新基準も裁判も決着しないと訴えました。
次回協議の日程は決まりませんでしたが、三団体は、厚労省が要求に対する明快な回答、あるいは厚労省案の修正を提示すれば協議に応じるとしています。