2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」
新銀行東京
個別貸倒引当金に疑惑
古館都議追及 「ゼロ」あり得ない
十四日未明の東京都議会予算特別委員会で日本共産党の古館和憲議員は、赤字を想定していた新銀行東京マスタープラン原案を黒字に書き換えた問題を追及しました。
古館氏は、二〇〇四年二月策定のマスタープランを都議会で議論した際に当局が提出した資料(表)を示しました。
資料は新銀行東京が開業三年後に貸出金九千二百九十二億円と想定し、黒字を達成するという計画です。それによれば融資が回収できない時に備えて計上する「一般貸倒引当金」二百四十一億円に対し、融資先が不良債権になった場合などに一般貸倒引当金から引き出して充てる「個別貸倒引当金」がゼロとなっています。これで銀行の負担が軽くなるため計算上は黒字達成となります。
古館氏は「実際の決算では不良債権が計上されそれに対する個別貸倒引当金も積まれている。ゼロということはあり得ない。いま問題となっているマスタープランの開業三年目の黒字目標はこうしてつくられたのではないか」と追及しました。
佐藤広産業労働局長は「一般貸倒引当金を厚く積むことで個別貸倒引当金をゼロにしたと聞いている」と答弁しました。
古館氏は、新銀行東京が発表した調査報告書のなかで仁司泰正元代表執行役が「貸倒引当金をしっかり使い込むこと」と発言し、これが不良債権の原因となったとされているが、マスタープランが論議された〇四年当時、大塚俊郎出納長(現新銀行取締役会議長)が「(貸倒引当金への)繰入額をどんどんつぎ込んでいく」と同様の答弁をしていたことを紹介。大塚氏について「元をたどれば知事の側近だったということ」と批判し、破たん原因がマスタープランにあったことを認め追加出資をやめるよう石原知事に求めました。
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