2008年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
認証保育所 園児1人当たり
食材1日36円
都議会委で大山議員追及 あまりに劣悪
「石原知事、子ども一人一日三十六円の食材費はあまりにも少なすぎると思いませんか」。日本共産党の大山とも子都議は十二日、都議会予算特別委員会で石原慎太郎都知事が推進する認証保育所の劣悪な実態を指摘し、改善を求めました。
大山氏は、企業が経営するある区の認証保育所(A型)では、園児の昼食とおやつの食材費が一日一人三十六円にすぎない実態を紹介しました。元職員から寄せられた「百グラム十円の鶏肉や、一袋十円のもやし、見切り品の野菜。魚はほとんど食材に入っていませんでした。激安スーパーでの買い物がほとんど。保護者に見せる毎日の昼食のサンプルは見栄えよく作らされる」との手紙を紹介し、知事に感想を求めました。
石原知事は、「世の中安かろう、悪かろうということもある。いささか問題ある。保護者に見せるサンプルと実際の食べるものが違うのは論外だ。厳重に調査、指導すべきだ」と答弁しました。
また、大山氏は新宿区では、企業が経営する認証保育所では子ども一人一日あたりの昼食とおやつの食材費は百九円と百六十七円で、同区の認可保育所の平均(三百円前後)の約半分にすぎないと指摘。「保育園の給食は子どもたちの成長にとって重要な役割を果たしている。実態調査し、子どもたちの成長・発達を最優先に」と改善を求めました。
大山氏は株式会社「日本保育支援協会」が運営する認証保育所「じゃんぐる保育園」(荒川区)の園長不在、保育士水増しなどの不正問題について、厳正な対処を要求。安藤立美福祉保健局長は、認証の取り消し問題について、「しかるべき時期に厳正に対応していく」と答えました。
大山氏が認可保育所増設支援策を求めたのに対し、安藤局長は「都有地の活用により認可保育所の設置・促進を図る」と答弁しました。
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認証保育所(A型) 営利企業の保育所への参入を促進する、東京都独自の制度。基準面積、有資格者の割合など、認可保育所の基準を緩和し、保育料は上限があるものの、各施設が自由に設定できます。高い保育料、園庭がない、職員の待遇が低いなど、保育の質の低下に、不安の声があがっています。