2008年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
キューバが識字支援
「読み書きできた」 28カ国 300万人
【メキシコ市=松島良尚】キューバからの報道によると、同国のゴメス教育相は十一日、キューバの援助を通じて二十八カ国で三百万人以上が非識字を克服し、読み書きできるようになったと発表しました。識字・基礎教育イベロアメリカ大会を今年六月に開催するとの発表にあたっての記者会見で述べました。
システム使い
キューバは、「私もできる」と名付けられた視聴覚識字教育システムを約十年前に開発。このシステムにもとづく識字運動を中南米を中心に推進し、これまでに約七百人のキューバ人が援助にあたってきました。
援助対象国はアルゼンチン、ボリビア、グアテマラ、ハイチなど中南米のほか、モザンビーク、ナイジェリアなどアフリカ諸国に及んでいます。またカナダやスペインなど先進国といわれる国も含んでいます。
援助言語は十四にのぼります。英語、ポルトガル語のほか、ケチュア語(ボリビア、ペルーなどで使用)、アイマラ語(ボリビア、チリなど)のような先住民の言語もあります。
教育相「誇り」
ゴメス教育相は、「キューバは人類のもっとも重大な問題の一つに対して、ささやかな貢献をしていることを誇りに思う」と強調。同時に、膨大な軍事費が支出されている一方、世界で二億人以上の子どもたちが家計を支えるため学校に通えないことを残念に思うと述べました。
キューバが推進する識字運動はこれまで、国連教育科学文化機関(ユネスコ)によって二度表彰されています。