2008年3月12日(水)「しんぶん赤旗」

診察料 大学授業料 ゼロへ

ハンガリー国民投票

賛成、8割超す


 ハンガリーで九日、診察料などの無料化の是非を問う国民投票が行われ、診察料のほか大学の授業料の無料化賛成が八割を超えました。この結果判明後、ジュルチャーニ首相は「結果を尊重する」と語り、診察料、大学授業料の無料化が事実上、決まりました。


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 ハンガリーでは一九八九年に旧体制が崩壊する以前は診察料、大学授業料ともに無料でした。二〇〇四年の欧州連合(EU)加盟後、EU加盟国でも最大規模の財政赤字(二〇〇六年には国内総生産の10%)を削減し、欧州単一通貨ユーロ導入をめざすために、緊縮財政で公営サービス有料化や値上げを実施してきました。

 ロイター通信などによると、現在、診察料は診察をうけるごとに三百フォリント(約百八十八円)徴収されます。また、大学授業料について政府は来年から四百ユーロ(約六万三千円)徴収する計画でした。診察料と大学授業料無料化による歳入減は全体の0・1%にすぎず、財政的に大きな問題ではないとされます。

 同国で実施される国民投票として今回は歴史的な高投票率の50・3%。二つの項目での無料化賛成はどちらも約83%でした。

 国民投票は野党第一党のフィデス・ハンガリー連盟(中道右派)が提案したもの。同党のオルバン党首は「国民の勝利だ」と宣言。ジュルチャーニ首相率いる社会民主党政権は野党の人気取り政策だと批判する一方、診察料の無料化は今年四月から実施すると約束しました。

 ハンガリーでは社会民主党政権の緊縮政策に不満が強く、今回、国民投票と同時におこなわれた世論調査では、国民投票を主導したフィデス・ハンガリー連盟の支持率が70%と社民党の21%を大きく上回りました。(片岡正明)


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