2008年3月11日(火)「しんぶん赤旗」
仏地方選で左派優勢
第1回投票 得票、右派上回る
【パリ=山田芳進】フランスで九日、地方選挙の第一回投票が行われました。国政野党の社会党、共産党、緑の党などが全体で約47・5%の票を獲得し、大統領与党の国民運動連合(UMP)を中心とする右派勢力の約45%に差をつけました。投票率は約61%(前回67・3%)。
昨年五月のサルコジ大統領誕生以来、最初の大型選挙となった今回の地方選挙で野党側は、国政への審判を中心的な争点としました。社会党のオランド第一書記は投票終了後のテレビ番組で「これまでの大統領・政府がおこなってきた政策、特に購買力に関する政策に警告を与えようというもの」と分析。左翼の前進に満足の意を示しました。
選挙では日本の市町村にあたるコミューンと県にあたるデパルトマンの議会の議員を選出。首長には通常、議会の多数派の代表が選ばれます。十六日の第二回投票に向けて、共同する党派間で立候補の取り下げ、リストの統合などの駆け引きが行われます。
前回選挙以来、大統領選、国政選挙で連敗中の仏共産党は、前回失った都市の市長の座を第一回投票で取り戻したり、伝統的に影響力の強いパリ郊外で好成績を収めるなどしました。ビュフェ全国書記は「共産党議員団に寄せられた信頼」に感謝を表明し、第二回投票に向け、左派勢力の結集を呼びかけました。