2008年3月11日(火)「しんぶん赤旗」
スペイン与党勝利
総選挙 イラク撤退・福祉を評価
【パリ=山田芳進】スペインの上下両院選挙は九日、投開票が行われ、第一党から首相が指名される下院(定数三百五十)で、左派の与党・社会労働党(PSOE)が前回(二〇〇四年)比五議席増の百六十九議席を獲得し勝利しました。単独過半数を目指したものの、わずかに及びませんでした。十一議席を獲得した地域政党カタルーニャ同盟が、政権安定の鍵を握るとみられます。
単独過半数ならず
サパテロ首相率いる社会労働党は、得票率43・64%(前回42・59%)で、第一党の座を守りました。イラクからの部隊撤退、男女同権や自治州の自治権拡大の推進、若者への家賃補助などの社会福祉政策など、四年間の実績が支持されました。サパテロ氏は党本部前に集まった数千人の支持者に向け、「貧困層を第一に考え、すべての国民のための政治を行う」と勝利宣言しました。
低下が心配されていた投票率は、前回並みの75・33%と高い数字を示しました。前回は、総選挙直前に起きたテロ事件への対応を誤った当時の国民党政権への批判が投票率を高めていました。
一方、右派の最大野党・国民党(PP)も、前回比五議席増の百五十三議席(得票率2・4%増の40・11%)を獲得。ラホイ党首は健闘と評価し、「国民全体の利益を擁護し続ける」と語りました。
今回の選挙では、社会労働党と国民党の二大政党化が進みました。定数に占める二大政党の比率は前回の89%から92%に上昇。スペイン共産党などが参加する統一左翼は五議席から二議席に後退し、ジャマサレス代表は「失敗の責任を取る」と述べました。