2008年3月11日(火)「しんぶん赤旗」

最低賃金

生計費満たす水準に

労組、法改定受け要求


 「働く貧困」をなくすため各企業・産業での賃金引き上げとともに、地域別最低賃金の大幅引き上げが焦点です。生活保護基準を下回ってはならないと定めた改定最低賃金法を受けて、速やかな引き上げとともに、生計費を満たす大幅引き上げを求める声が労働組合から上がっています。

 最低賃金法の改定前だった昨年は、「時間額千円」への引き上げが労組の共通要求となるもとで、地方により七円―二十円、全国平均十四円という近年にない二ケタの引き上げが実現しました。

 その後改定された最低賃金法では、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮する」(九条三項)と改定され、生活保護基準を下回ってはならないことが明記されました。これを受けて生活保護基準以下の地域は速やかな引き上げが求められています。

 厚労省は、生活保護基準と比べて北海道や東京、大阪など十一都道府県が下回っているとしています。しかし、厚労省は生活保護基準から勤労控除などを除くなど、「健康で文化的な」最低生計費には遠くおよばない内容になっています。

 しかも、県庁所在地など多くの労働者が働く地域の基準をもとにせず、低い地域の人口を加重平均した指標にしており、生活保護基準を低くする仕組みになっています。財界は、最も低い地域をクリアすればいいと主張。さらに政府・財界は、生活保護基準自体の切り下げもねらっています。

 これに対して、全労連・国民春闘共闘委員会では、現行の生活保護基準に勤労控除を加えることや、労働者が最も多い県庁所在地を基準とするなど、全都道府県で下回っている試算を示して、速やかな引き上げを求めています。

 さらに、最低生計費を掲げてその実現を求めています。京都総評では、実態調査にもとづいて若年単身世帯で月額十九万七千七百七十九円、四人家族で四十八万二千二百二十七円など、健康で文化的な生活を保障する最低生計費を掲げて、運動をすすめています。

 連合は、「すべての労働者が最低限の生活ができる賃金水準を実現すべく、社会的な水準規制を行う」として、「『最低生計費を担保する賃金』として、絶対水準を重視した姿勢でのぞむ」と強調しています。最低生計費を示した連合リビングウエイジでは、単身世帯の最低生計費は年収百七十八万六千円(さいたま市)とされています。

表


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