2008年3月11日(火)「しんぶん赤旗」

福田内閣の支持率低下

政権の危険水域

3割切る事態も

道路財源・「イージス艦」対応が響く


 福田内閣の支持率が「政権の危険水域」といわれる三割を切る事態に直面しています。参院選大敗を受け、「背水の陣内閣」(福田康夫首相)と称して支持率六割台で発足したのはわずか半年前のこと。「生活者・消費者の目線」を強調しても、福田内閣の政策は国民に受け入れられていません。

 「一喜一憂しない。ただひたすら(政策を)進めるだけ」(町村信孝官房長官)。新聞・テレビが行った三月の世論調査に平静を決め込む政府・与党ですが、NHKの十日発表の世論調査では支持率は前月比3ポイント減の38%。逆に不支持率は「朝日」50%(一、二両日実施)、「毎日」51%(同)、日本テレビ50・4%(七―九日実施)といずれも内閣発足後、初めて半数に達しました。「イージス艦衝突事故、道路特定財源問題に対し、内閣支持層や与党支持層さえ批判的な人が多い」(「毎日」三日付)という分析です。

「旗印ない」

 すでに「産経」の二月末の世論調査では内閣支持率が前月比から7・9ポイント下落し、28・7%と初めて30%を割り込んでいます。与党内からは「福田内閣は何をやりたいのか国民にメッセージが伝わらない」(町村派議員)と旗印のなさへのぼやきが平然と聞かれます。

 支持率急落は、福田内閣の掲げる路線の行き詰まりを反映しています。

 道路特定財源をめぐって問題が噴出しているにもかかわらず、総額五十九兆円の「道路中期計画」に固執。政府・与党は問題点の追及を回避し、審議を打ち切って二〇〇八年度予算案と歳入・税制関連法案の衆院採決を強行しました。テレビ朝日の世論調査(一、二両日実施)では採決を「支持しない」は51%と、「支持する」の27%を大きく上回りました。「道路中期計画」については、「毎日」で75%が「反対」、日本テレビでは85・4%が「見直し・必要ない」と回答しています。

 福田首相は、道路特定財源に執着する一方、社会保障費の自然増を毎年二千二百億円ずつ削減する路線については「続けることは難しい」と認めざるをえなくなりましたが、それを撤回するまでにはいたっていません。大企業に大もうけを続けさせるだけで国民には貧困と格差を押し付ける「構造改革」路線にしがみついているからです。

路線変えず

 イージス艦衝突事故をめぐる政府の対応では「毎日」では「あまり評価しない」「評価しない」をあわせ74%にのぼっています。福田内閣は軍事優先の対応が問われながら、なんら対応策を示していません。自衛隊の海外派兵をいつでも可能にする派兵恒久法の制定を掲げるなど、アメリカの戦争を支援する路線も変わりません。この路線を変える意思も力も持たない福田政権が、国民の批判にさらされるのは当然です。(高柳幸雄)

グラフ

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