2008年3月11日(火)「しんぶん赤旗」

共産党「農業再生プラン」

歓迎の声続々

ひどい農政 転換ぜひ


 日本共産党が七日発表した農業再生プラン(「食料自給率の向上を真剣にめざし、安心して農業にはげめる農政への転換を」)について、党本部には「一気に読みました」「待っていたプランです。今すぐ実行してほしい政策ばかり」など歓迎する声が寄せられています。


 埼玉県の「しんぶん赤旗」読者から日本共産党本部に次の電話がありました。

 「農業再生プランはすばらしい。とくに“食料をめぐる国際情勢の激変は、農政の根本的転換を迫っている”という部分がよい。日本の農政は本当にひどい。私の周りにも農業問題で頑張っている党員の方がいる。もっと大きくなって政治に大きな影響を与えられるようになってほしい」

 道府県委員会にも期待の声が寄せられています。「提言は農業の再生と地方の活力の源泉になる時宜に適したもので心から賛同し、この政策が実現されることを望みます」(広島県の農業委員)、「画期的な政策です。農業土木優先でなく、価格保障、所得補償など営農に照準をあてた、実現可能で無理のない政策です」(北海道)

 山口のりひさ党衆院比例北陸信越ブロック候補は石川県での懇談会でさっそく紹介。農業経営難、後継者不足など深刻な実態とともに、「このプランなら安心して米が作れる。水が砂にしみこむように農家の中に入っていくだろう」との声が出されました。


心強い食料主権の確立

宮城県涌谷(わくや)町 大規模稲作農家

 待望の農業政策が出たと喜んでいます。価格保障と所得補償制度を抜本的に充実して農業生産を向上させるという方向性が示されており、実現すれば農村は活気づくでしょう。

 東北農業で大きな比重を占める水田稲作は、米価が暴落し、農業をやめる農家や耕作放棄地が増えています。地域経済は疲弊し、若い世代もいなくなり、農村の空気は沈滞しています。

 政府は、規模を拡大すれば生産コストが下がり、外国の農業と競争できるといってきましたが、実態はそうではない。わが家では二十ヘクタールの稲作経営を家族四人でやっていますが、今の米価では経営を維持するのが大変で、大型機械の更新もできない状況です。

 自国民のための食料生産を最優先し、実効ある輸入規制や価格保障などの食料・農業政策を自主的に決定するという食料主権の確立、国境措置の強化を明確に示したことも心強い。これは食料・農業の自由化容認の自民党、民主党と明確に違う立場です。

 世界的な食料危機、中国産ギョーザ事件にみられる食の安全問題からも日本の食料自給率向上は緊急の課題です。共産党の農業政策は、農民に食料を生産する誇りと喜びをよみがえらせる内容に満ちており、うれしくなりました。


農村現場にあった提起

白石淳一農民連会長

 時宜に適した提案で大歓迎です。“カネを出せばいつでも外国から買える時代”は終わっていると思います。

 再生プランは、自給率向上のための中心的な打開策として農産物の価格保障を位置付けています。米では六十キロ一万七千円以上の保障をはじめ、麦や大豆の交付金制度の復活などの価格保障にくわえ、飼料米や飼料作物などの振興や水田転作の所得補償など具体的です。自給率向上にやる気を起こさせるものです。

 参院選挙では民主党も自民党も所得補償をいっていましたが、それだけでは日本農業は守れません。現に昨年導入した政府の「品目横断対策」ではモデルと言われる北海道の畑作地帯の農家でさえ所得が減ってしまいました。政府の育成対象としている大規模経営の人が一番大きな影響を受けています。

 再生プランは、家族経営を維持し、農業を続けたい人すべてを支援の対象とすること、地域農業を支える現実の役割を重視して大規模経営や生産組織の支援を強めるとしていますが、農村の現状にあった提起で共感できます。

 私たちが国際交流をすると、WTO(世界貿易機関)やFTA(自由貿易協定)で多国籍企業の貿易利益のため農業がつぶされることに危機感があります。どの国の農民にも“勝者”はない。食料の安全、安定供給と持続可能な農業のため、食料主権を保障する貿易ルールを追求するという今回の再生プランに期待します。


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