2008年3月10日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPress
時には自炊
池上正子さんとつくる「簡単レシピ」
いただきま〜す
ギョーザにコロッケ、米国産牛肉にお菓子まで…。「食の安全」がおびやかされる事件が後を絶ちません。「自分で作って食べるのが一番安全」。分かっていてもなかなか手が出ない、そんな「料理初心者」の二人が、料理研究家の池上正子さんに簡単レシピを習いました。この機会に挑戦してみては。平井真帆
「手料理? たまにパスタやそばをゆでたりする程度かな」。こう話す東京都豊島区の学生、コウさん(22)は、一人暮らしです。一方、板橋区に住む、ひとみさん(21)は家族と同居。「基本的にはお母さんが作ってくれる」ため、あまり料理はしないといいます。
きょうのメニュー ひき肉とレンズ豆のカレー |
二人が挑戦し、やや手こずったのは「ひき肉とレンズ豆のカレー」。「ニンジンを、みじん切りにしてください」との先生の指示に「み、みじんぎり?って?」と、二人の手が止まりました。
包丁は大きく
恐る恐る包丁を動かす二人に先生が、「包丁は大きく動かした方が早くよく切れますよ」とアドバイス。怖がって小刻みに動かすと、かえって時間がかかります。「にんじんのみじん切り、初めてやりました」とコウさん。
ちなみにコウさんのある1日の食生活は―。朝はコンビニのおにぎり、昼はレストランでパスタ、夜は冷凍のチャーハン…。
パスタは最後
バイトで疲れて帰ってくると「だるくて」つい、コンビニや冷凍食品に頼ってしまうそう。アパートのキッチンが狭くて使いづらいのも料理が疎遠になる理由のひとつ。野菜は「買ってもすぐに悪くなっちゃうから」あまり買わないそうです。
「ほんとはレトルトばっかりじゃなくて、自分で作って食べたほうがいいとは思っているんですが」
そんな人に、「多めに作って一回分ずつ小分けにして冷凍する手もありますよ」と池上先生。今回のレシピもカレーとパスタは冷凍できます。
この日、先生の励ましを受けながら1時間半ほどで3品作ることができました。「慣れれば1時間でできます。パスタは伸びてしまうので一番最後に作ると良いですよ」
レシピ通りに
出来上がった料理を囲んで試食です。「スープは思ったよりこくがあっておいしい!」とひとみさん。一番人気は「ひき肉とレンズ豆のカレー」。程よいレンズ豆の甘さがなんとも美味。コウさんはおかわりもし、残ったカレーをお土産に。
初心者はとにかくレシピ通りに作るのが成功のコツです。「料理が苦手な人でも1回やっておけば、次からスムーズにできますよ」と池上さん。「一人暮らしの友人同士誘い合って、一緒に何品か作り分け合うと、楽しいし長続きしたという友人もいますよ」(文中、学生は仮名)写真・橋爪拓治
ぱぱっと 春キャベツのスパゲティ
材料(2人分) スパゲティ200グラム、キャベツ3〜4枚、トマト1個、ベーコン2枚、ニンニク1片、油またはオリーブ油適量、コンソメ1/2個、塩・コショウ各少々
作り方
(1)キャベツは固いしんの部分を除いて一口大に切る。ベーコンは1センチ幅に切る。ニンニクはみじん切りにする。
(2)たっぷりの湯をわかし、塩(分量外)を加えスパゲティをゆでる前にトマトを湯むきする。ヘタの部分をフォークで刺したトマトを熱湯に入れ、皮がむけたら取り出して冷水にとって皮をむき、ざく切りにする。
(3)(2)の湯にスパゲティを加え、パッケージに記載されている時間どおりにゆでる。ゆであがり3分前にキャベツを加え、サッと混ぜ合わせて一緒にゆでる。ゆであがったらザルにあげて水気を切る。
(4)フライパンに油とベーコン、ニンニクを加え火にかけていためる。香りがしだしたら(2)のトマトとコンソメを加えていため合わせる。トマトが少し煮くずれてきたら(3)を加え、サッといため合わせ塩とコショウで味をととのえる。
※油をからめたらゆでたスパゲティも冷凍できます!!
※少し多めにゆでてナポリタンなどにして自家製冷凍食品にしておくと便利ですよ。
野菜たっぷりトマトスープ
材料 好みの野菜(キャベツ、ニンジン、セロリ、小松菜、玉ネギ、ジャガ芋、キノコ類など)適量、トマトの水煮缶1缶、ウインナー適量、コンソメ1個、塩・コショウ(あれば粗びき黒コショウがオススメ)各適量
作り方
(1)野菜は、それぞれ食べやすい大きさに切る。
(2)鍋に(1)の野菜とトマトの水煮、コンソメを入れ、ひたるぐらいまで水を注いだら火にかける。沸騰したら弱火にして煮込む。
(3)野菜に火がとおり、全体がなじんだら塩とコショウで味をととのえる。
味にあきたらこうして食べよう!!
器に盛り付け、スライスチーズをのせ電子レンジで温める。器に卵を割り落とし、黄身部分をつまようじなどで刺してからラップをして電子レンジで加熱して半熟にする。ゆでたスパゲティを加えて軽く煮てスープスパゲティにする。
サッと水で洗って水気を切ったご飯、または冷凍したご飯をそのまま加えて少し煮てリゾット風に。
ひき肉とレンズ豆のカレー
材料(2人分) 豚ひき肉200グラム、玉ネギ1個、ニンジン1/4本、レンズ豆40グラム、油適量、カレールー適量、ご飯2人分
作り方
(1)ニンジンと玉ネギは皮をむいてみじん切りにする。レンズ豆はサッと水で洗う。
(2)フライパンで油を熱し、ニンジンと玉ネギをいためる。玉ネギがすきとおってきたら豚ひき肉を加えてさらにいためる。
(3)ひき肉がパラパラになるまでいためたら、水500ccを加え強火にかける。沸騰してきたらレンズ豆を加え、サッと鍋底からかき混ぜる。再び沸騰してきたら弱火にし、フタをして5〜6分煮る。
(4)レンズ豆が柔らかくなったら火を止めてカレールーを加えとかし、再び火をつけて1〜2分煮込む。
(5)器にごはんを盛り付け、(4)をかける。
※冷凍できます!! ジッパー付きのビニール袋に入れて板状に冷凍すると解凍しやすくて便利です。
お悩みHunter
彼とささいなことでケンカばかりして…
Q 付き合っている彼と、ささいなことでケンカばかりしてしまいます。例えば、私はクーラーや暖房が嫌いですが彼はよく付けたがり、言い争いになります。私は風邪薬など、なるべく飲みたくないのに、彼は「ちゃんと飲まないと治らない」と怒るのです。(27歳 東京 会社員・女性)
率直に言えるって素晴らしい
A あなたと彼は、ケンカをすることで、お互いを知ろうとしているのでは。
もし、体感温度も同じ、薬の飲み方も同じ、なんでも同じ感覚、価値観なんてことがあったら、どちらかが我慢して相手に合わせている可能性がありますよね。それでは長続きしないし、うまく行かないでしょう。
お互いの気持ちを率直に言い合えケンカできるのは素晴らしいことです。お互いを分かり合い、理解しあえると言うことですからね。
これからは、相手が自分とは違う感覚、価値観を持って生きていることを楽しんでみてはどうでしょう。そして、時には相手のまねをしてみてはどうでしょう。相手の感覚や価値観を体感でき、また新たな発見があるかもしれません。
アインシュタインの言葉に「価値観は偏見の積み重ねによってできあがる」とあるように、あなたや彼の感覚、価値観も変化していくかもしれません。
我が家の2歳の息子が、友達と散歩をしていて、息子が転んで仰向けに寝ころがりました。そしたら、友達は息子と同じ体勢で寝ころがり、二人で空を眺めて「きれいだね」と言い合い、互いに手を取り起き上がり、また、散歩を続けました。
おとなが忘れ去った、人間の感覚を思い出させてもらう瞬間でした。
舞台女優 有馬 理恵さん
「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。