2008年3月10日(月)「しんぶん赤旗」
東京大空襲 忘れじ
海老名香葉子さんら 平和誓い集い
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東京大空襲の被災体験を伝えて平和を誓う「時忘れじの集い」(集いの会主催)が九日、東京都台東区の「慰霊碑・哀しみの東京大空襲」と母子像「時忘れじの塔」の前で開かれ、千人以上が集まりました。
一九四五年三月十日未明の米軍機による東京大空襲は、十万人以上の命を奪いました。碑と母子像は、落語家の故林家三平さんの妻で、エッセイストの海老名香葉子さんが中心になって二〇〇五年に建立。毎年三月九日に記念式典をし、今回が四回目です。
海老名さんは同空襲で失った六人の肉親の一人、弟の「孝ちゃん」との思い出を書いた著書『ネーネ。』(昨年末発行)を紹介。「四歳だった弟が東京大空襲で亡くなる最後に私にいった『ネーネ(お姉さん)』という言葉が忘れられない」と涙で声を詰まらせ、「むごい戦争が二度とないように、命あるかぎり、若い人たちに体験を伝えていきたい」と話しました。
式典では、平和サークル「P魂S(ピーソールズ)」の青年たちが“平和の誓い”を語り、地元の都立竹台高校吹奏楽部の高校生たちが「涙そうそう」などを演奏。台東区立忍岡中学校の女生徒が詩を朗読。海老名さんの娘でタレントの泰葉(やすは)さんが歌を披露しました。また、二木忠男・上野観光連盟会長や木下悦希・台東区議会議長ら、地元関係者が多数あいさつ、東京大空襲の悲惨な体験を語り合いました。
市田書記局長あいさつ
集いに参加した日本共産党の市田忠義参院議員(党書記局長)があいさつ。「東京大空襲は、家族のだんらんまで奪う悲惨なものだった」と強調。最近の自衛隊の海外派兵恒久法策定のたくらみなどを批判し、「こういうときだけに、戦争体験を語り伝えることが重要になっている。安心して家族のだんらんができるように、平和の人波を全国に広げるために、みなさんといっしょにがんばります」と決意を語りました。