2008年3月8日(土)「しんぶん赤旗」
ILO 改善訴え
男性より低賃金・高失業率
国際女性デー前に報告
国際労働機関(ILO)は四日、国際女性デーを前に報告書『世界女性雇用情勢』を発表、働く女性の数は世界で増加傾向にあるが、多くが男性より生産性の低い、低賃金、劣悪な仕事に従事していると指摘しました。
同報告によると、二〇〇七年の世界全体の女性就労者は十二億六千七百七十万人で、過去十年間で約二億人増加しました。〇七年の男性の就労者数は十八億人でした。しかし、女性の失業者は十年前の七千二十万人から八千百六十万人に増え、失業率は6・4%で男性の失業率を0・7ポイント上回っています。
報告は、「労働市場での女性の地位は向上してきたが、職場での男女格差は依然として残っている」と述べ、女性の雇用条件が劣悪なこと、賃金の支払われない家事労働、家内労働への従事の問題を指摘しています。
このほか報告は、この十年間でサービス部門への女性の就労が農業部門を上回ったことを明らかにしました。
同報告によると、就労している女性のうち31・1%が農業、46・3%がサービス部門で働いています。
報告は、劣悪な雇用条件から多くの女性が脱出することが、女性の経済的自由と自立への大きなステップだと指摘。女性の就労をめぐる課題に積極的に取り組むことを各国政府に求めています。