2008年3月7日(金)「しんぶん赤旗」
続消費税なぜなぜ問答
社会保障の財源を考える(25)
Q 無駄づかいは 他にもあるの?
これまでに、軍事費と公共事業、とくに道路特定財源の問題を見てきましたが、歳出の浪費はほかにもあります。
道路と同じように、「特定財源制度」があるのが、エネルギー関係予算です。石油や石炭に課税される石油石炭税(二〇〇八年度五千二百十億円)と、電気料金に上乗せされる電源開発促進税(同三千四百八十億円)です。電源開発促進税は法律で「原子力発電施設、水力発電施設…等のための措置に要する費用に充てる」とされている目的税です。石油石炭税は目的税ではありませんが、「特別会計に関する法律」で、「燃料安定供給対策及びエネルギー需給高度化対策に要する費用の財源に充てる」と規定され、「特定財源」になっています。
基本的に全額が「エネルギー対策特別会計」に繰り入れられ、税収が多ければほかの用途にも回せますが、回した分は翌年度以降に同特別会計に繰り入れることになっています。この仕組みも道路特定財源と同じです。特定財源となっているために、道路と同じように無駄な使われ方が目立ちます。
金の面で無駄というだけでなく、危険な原子力発電の推進に多くの予算が投入されていることが、重大な問題です。〇八年度のエネルギー関係予算の四割以上、四千百六十七億円は原子力対策予算です。この中では、一九九五年にナトリウム爆発事故を起こし運転を停止していた高速増殖炉「もんじゅ」の〇八年度運転再開に向けた高速増殖炉関係予算が、四百四十七億円にもなっています。
相次ぐ原発事故で地元住民の反対が強まり、原発などの立地が進まないため、立地自治体への交付金の予算が余ってしまい、これが「周辺地域整備資金」という名で積み立てられ、一千億円を超えています。過大な電力需要予測を見直し、危険な原発政策を転換すれば、こうした予算や積立金は、ほかに回せます。
公共事業やエネルギーだけでなく、各種の特別会計には、さまざまな形の余剰金があることが指摘され、「霞が関埋蔵金」などといわれています。「積立金」と名のつくものは、表のように百七十九兆円にのぼります。このうち、公的年金関係(百三十二兆円)や労災保険(労災年金関係)などのように、将来の支払いに充てる積立金は、ほかに流用できませんが、財政融資資金や外国為替資金のように運用益がたまったものは、財源として活用できる可能性があります。もちろん、過去にたまった積立金であり、取り崩してしまえばなくなるので、毎年必要とされる社会保障の財源が、積立金だけでまかなえるわけではありませんが、余っていれば活用を検討するのは当然です。
国民の税金を毎年三百億円も政党にばらまいている政党助成金は、九五年の制度発足以来十四年間の累計で、約四千四百億円にもなっています。自民党議員の親族が経営する企業に助成金が支出されたとの報道が相次ぐなど、不明朗な使われ方をしている点も問題です。このような政党助成金は、ただちに廃止すべきです。(つづく)
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