2008年3月7日(金)「しんぶん赤旗」
教育費を45%増
来年度予算案 農業も大幅増
中国
【北京=山田俊英】中国政府は五日、全国人民代表大会(全人代)に提出した二〇〇八年度中央政府予算案で教育費、農村対策費を大幅に増額しました。六日記者会見した謝旭人財政相は、「民生問題を重視する政府の要求を具体化した」と説明しました。
中央政府の〇八年度歳出予算案は前年度比17・8%増の三兆四千八百三十二億元(約五十兆五千億円)です。
主な費目のうち最も伸びが大きいのは教育費。同45・1%増の千五百六十二億元(約二兆二千六百億円)でした。義務教育を全国で無料化するため、学費・雑費を廃止、教科書を無償化、農村部に多い寄宿生への生活補助を増額します。教員を増やすため師範大学の授業料を無料化します。
三農(農業、農村、農民)対策の支出は30・3%増の五千六百二十五億元(約八兆一千六百億円)です。三千億元がインフラ整備などの生産助成、そのほかが農民への補助金、農村の社会事業にあてられます。
環境保護費も31・4%増の千二十七億五千万元(約一兆五千億円)と大幅に増額されました。
社会保障・就業支援費は24・2%増の二千七百六十二億元(約四兆円)。農村、都市それぞれの最低生活保障制度で生活保護費を引き上げ、労働者年金の増額を図ります。
中央歳出予算のうち構成比で大きいのは地方への移転支出(全体の35%)、国防予算(同12%)です。