2008年3月6日(木)「しんぶん赤旗」

議員連盟 なぜ相次ぐ?

自民・民主“対決”の一方


 参院予算委員会をめぐっての空転が続くなか、「対決」しているはずの自民、民主両党の議員が加わる国会議員連盟の発足が相次いでいます。何を意味しているのか。

改憲

 改憲を至上命題に連携する議連、地方分権を口実に「政界再編」をにらんだ議連…思惑が入り乱れています。「国会審議がストップするなど、与野党間の対立は激しさを増している。こうした中、にらみ合っているはずの議員たちが仲良く国会外で集うことに、違和感を持つ国民も少なくない」(五日付「東京」社説)という指摘もあります。

 「超党派の皆さんが参加したということは、国会議員の中に根強い憲法改正へのエネルギーが充満していることの証拠だ」。四日、新役員体制を発足させた「新憲法制定議員同盟」(参加議員数・百九十一)の総会で、中曽根康弘会長(元首相)はこう発言しました。

 「議員同盟」の「顧問」には、党幹事長を務める自民党の伊吹文明氏と民主党の鳩山由紀夫氏が新たに就任。安倍晋三前首相や民主党の前原誠司副代表(前代表)が新たに役員に就任しました。

 この間、国会では、与党が予算案の衆院採決を強行。民主党が「一週間は審議に入れない」(山岡賢次国対委員長)と参院で審議拒否の構えをみせるなど、表面上の「対決」のさなかに行われた総会だけに、改憲派議員らの“合流”の異様さが際立ちました。

大連立

 前日の三日にも、百人規模の議連が発足しました。保守「二大政党」体制を志向する知事や財界人などでつくる「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(せんたく)と連携する「せんたく議員連合」です。議連の共同代表には、自民党の河村建夫元文部科学相、民主党の野田佳彦元国対委員長が就任。ほかにも、役員に自民党から園田博之政調会長代理、菅義偉選対副委員長、民主党から岡田克也、前原両副代表といった現職の両党役員が就任しています。

 当初、七十人規模と想定されていましたが、ふたを開けてみると百七人に増加。「政界再編」をにらんだ思惑含みの動きとして注目を集めました。あまりのきな臭さに、「せんたく」側も「『新党運動』や『政界再編』等を目指すものではない」とあえて活動方針に明記せざるをえなくなったほどです。

 ほかにも、自民党の次期総裁を狙う麻生太郎前幹事長と民主党の鳩山幹事長らとの「地方政府IT(情報技術)推進議連」などがあります。

 こうした動きには、「選挙後は政界再編が大きな政局になることは間違いない。そういうことを意識して自民党や民主党の議員がそれぞれに接触を持つのは当たり前だ」(民主党の渡部恒三最高顧問、時事通信社のインタビュー)との見方が公然と出ています。

 自民党の山崎拓前副総裁は、時事通信社のインタビューで参院選後の「政界再編」を予測しつつ、「大連立」の可能性にもふれ、「憲法改正には(衆参の)三分の二議席が必要だから、大連立でやるしかない。消費税(引き上げ)のように非常に重たい問題も大連立という形で進むかもしれない」と述べています。

 海外派兵の恒久法、改憲、消費税増税という国のあり方にかかわる重大問題が「大連立」「政界再編」の接点となっているのです。

 「政界再編」や「大連立」議連の動きは、自民、民主が“二大政党の対決”を演出しようとしても、「同質・同類の党」であることを示しています。


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