2008年3月4日(火)「しんぶん赤旗」

中東和平交渉が中断

イスラエル軍ガザ地区攻撃

犠牲多数 懸念広がる


 【カイロ=松本眞志】イスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区に対し過剰な攻撃を加え、女性や子どもを含む多数の死傷者が出ています。事態を懸念する声が世界中で広がっています。パレスチナ自治政府のアッバス議長は二日、イスラエルとの和平交渉を中断しました。


 イスラエル軍の攻撃は直接には、二月二十七日にパレスチナ武装勢力による同国領内へのロケット砲攻撃でイスラエル市民が死亡したことへの報復措置として開始されました。空爆と地上攻撃により、五日間で百人以上が死亡。三月二日には、一日としては過去七年間で最大の六十八人が犠牲となりました。

 イスラエルのビルナイ国防次官は二月二十九日、過去のナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を意味するユダヤ人の言葉「ショアー」を使って「ロケット砲攻撃をやめなければショアーを招く」とガザ住民を脅し、住民の殺害を正当化しました。

 カタール有力紙アルラヤは「ジェノサイド(民族絶滅)からパレスチナ人を救え」と題する社説で、「国際社会が実力でイスラエルのホロコーストを停止させる時期だ」と訴えました。

 サウジアラビア政府は、イスラエルの行為を強く批判し、殺りく行為の停止を要求するよう国際社会によびかけています。

 国連安保理は二日に緊急会議を招集し、イスラエルとパレスチナ武装勢力側双方に停戦を呼びかけ、イスラエルの行為を「過剰な軍事力行使」と指摘しました。

 中東和平交渉の当事者であるパレスチナ自治政府のアッバス議長は一日、武装勢力側を含むガザ地区でのすべての暴力の停止を求めました。その後、イスラエル側の行為を「ホロコーストを超える行為」と述べるなど同国への不信をあらわにし、二日にはイスラエルとのあらゆる関係を一時的に絶つと宣言しました。


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