2008年3月4日(火)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療制度中止へ
自治会が結束
大阪・枚方
回覧板で署名 一気に700人分
「七十五歳以上のすべての高齢者が犠牲になる、後期高齢者医療制度。自治会としても何かすべきときではないか」―大阪府枚方(ひらかた)市の堂山自治会は、全世帯を対象に後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める請願署名に取り組んでいます。(浜島のぞみ)
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昨年十月、年金者組合枚方支部から署名への協力について申し入れがありました。これを受けて、自治会長の佐々木浩文さん(64)が役員会で提案しました。「ごみ置き場のマナー改善や側溝のふたの取り換えなどの相談なら、私が関係先と掛け合って解決できるが、政治にかかわる問題では一人ではどうしようもありません。四月から始まる後期高齢者医療制度では、これまで扶養家族であれば保険料をとられることはなかった人も、死ぬまで保険料がとられます。自治会員全員に負担が強いられるわけで、自治会としても住民を守る立場で、勉強会や署名に取り組んではどうか」
中身を知って
四百八十世帯の住民のうち六十代から八十代の人の割合は半数近くにのぼります。副会長の二社谷勇市さん(63)はいいます。「差し迫っている人ばかりですが、中身を知らないという人がほとんどなので、署名の取り組みで知った人も多いと思います。少ない年金だけで暮らす人には大ごとです」
枚方市の十二月議会で全会一致で見直しを求める意見書が可決されました。
二月二日、老人会、子ども会など各種団体から代表四十五人が参加した自治会評議員会で署名に取り組むことを全会一致で確認しました。佐々木さんのつくった制度解説付き自治会ニュースと署名用紙を回覧板で回しました。いっきに七百人分の署名が寄せられました。
同地域の老人会「緑儕(りょくせい)会」の岡井三千夫会長(72)は、託された署名を持って会員の家を四時間かけて回り、「どこか悪くなっても病院にかからんと死ねというような制度」と署名を訴えると、こぞって協力してくれました。「今の政府のやり方はどうにもならん。弱者は死ねというようなもんや。到底、納得いかない。もうちょっと金を、医療や福祉に使ってほしい」と岡井さんは怒ります。
運動を大きく
「二年後に見直しがありますが、確実に保険料は高くなる」と話す佐々木さんの言葉にうなずく、二社谷さんと岡井さん。「市全体の老人会でも力を入れて取り組むよう、わしも言うてくる」と岡井さん。佐々木さんは「運動を大きくして、どうしても中止・撤回をかちとりたい」と話します。