2008年3月3日(月)「しんぶん赤旗」
「道路中期計画」
民意にも反する
NHK番組で穀田氏 生活道路優先を主張
日本共産党の穀田恵二国対委員長は二日、NHKの「日曜討論」で、道路特定財源問題やイージス艦の衝突事故などについて、各党の国会対策責任者と討論しました。
冒頭、二〇〇八年度予算案と歳入関連法案を自民・公明が衆院で採決強行したことについて議論になりました。
穀田氏は、予算案などの審議の過程で、政府自身が、社会保障費の抑制路線や「道路中期計画」などについて「見直し」を表明しはじめたことを指摘。「政府自らが、『変える』といっているときに、(政府案をそのまま)しゃにむに押し通すのは許されない」と与党の姿勢を厳しく批判。与党側が昨年の審議時間と比較して、「十分な審議時間を確保した」と主張したことに対し、「昨年は(与党が)強行採決の連発でまともな審議時間をとらなかった。これを引き合いにだすのは、常識的ではない」と指摘しました。
さらに、穀田氏は、十年間で五十九兆円を高速道路中心の道路建設に費やす「道路中期計画」について、「肝心な問題は、国民がどうみているのかということだ」と指摘。NHKの世論調査でも、「中期計画」について、「妥当」11%に対し、「妥当でない」は51%と過半数を超え、道路特定財源の一般財源化も「賛成」42%と「反対」22%を上回っているとして、「多くの方が、今の政府案については、おかしいと思っている」と強調しました。
一方、自民党の大島理森国対委員長は、「一般財源化というが、それでは課税根拠も見直さなければならなくなる」と主張。穀田氏は、「わが党は暫定税率をやめるべきだという立場だ」と述べたうえで、一般財源化に向けた課税根拠の議論については、小泉、安倍両内閣のとき、国民全体を自動車ユーザー(利用者)と考えるべきとすることですでに決着していることを強調しました。
また、穀田氏は、「中期計画」が、バブル期に作られた一万四千キロの高速道路計画のほかにも、地域高規格道路として七千キロの大型道路を建設する計画や、候補路線として東京湾口道路など六海峡横断道路計画まで含んでいることを指摘。「際限ない道路づくりの計画は、やめるべきだ」と述べました。さらに、与党側から「修正協議」の求めが出されたことについて、「修正の場合は、まず五十九兆円先にありきというのはやめ、六海峡横断道路計画は中止し、地域高規格道路については凍結して見直す。そのうえで、コストも含めて生活道路優先に切り替える。こういう体系のなかで、議論すべきだ」と主張しました。
イージス艦衝突事故問題では、穀田氏は「第一は(行方不明者の)捜索と真相解明に努力することだ」と述べたうえで、衝突事故の最大の問題として、軍事優先、情報隠しという防衛省・自衛隊の体質が現れたことを指摘。救出が最優先されるときに、防衛省がヘリでイージス艦の航海長を省内に呼び出した点について、「自動車事故があったときに警察が事情聴取する前に会社が運転手を呼び出すなどありえないことだ。“国民を守る”のでなく、みずからを守ろうとしている」と厳しく批判しました。
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