2008年2月29日(金)「しんぶん赤旗」
「県意見」に危惧の声
沖縄 新基地でアセス審査会
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に関する環境影響評価(アセスメント)で、県環境影響評価審査会(会長・津嘉山正光琉球大学名誉教授)は二十八日、那覇市の県総合福祉センターで会合を開きました。
審査会は、沖縄防衛局が今月五日に提出した環境影響評価方法書の「追加・修正資料」の審議と、「追加・修正資料」に対する県のとりまとめた意見案についての協議が並行する形で進みました。
委員からは、「このまま一挙に進んでしまうのでは」「方法書にたいする審査会の意見が調査に反映されるのか」と防衛局の新基地建設スケジュール通りに進むことを危惧(きぐ)する意見が相次ぎました。副会長の宮城邦治沖縄国際大学教授は「ジュゴンなどの調査を複数年実施させることを強く(県の意見に)入れるべきだ」と述べました。
県は今回の協議を踏まえて意見をとりまとめ、防衛局に意見書を提出する予定です。
「追加・修正資料」については公開期間中に、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなどの自然保護団体や住民らが県に対し意見書を提出。アセス法と条例に基づいて新たに「広告・縦覧」を行い、住民意見を求めることやアセス法違反が明確である事前調査(環境現況調査)を中止させること、ジュゴンや海藻などの調査は複数年実施させることなどを求めています。
会合の冒頭には、傍聴する市民と県との間で、アセス法に基づく手続きの解釈について意見が分かれ、審査会が紛糾。委員や市民から、「相違点を議論する場をあらためて設けるべきだ」との意見が出て、県は「検討する」と述べました。
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