2008年2月27日(水)「しんぶん赤旗」
新銀行東京
追加出資やめよ
松村都議 「傷口広げる」
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東京都議会の本会議代表質問が二十六日行われ、日本共産党の松村友昭都議は、焦点となっている新銀行東京の経営破たん問題で石原慎太郎知事の責任を厳しく追及し、「知事が都政を私物化し、都民の税金をドブに捨てることは断じて許されない」と四百億円の追加出資案を撤回するよう求めました。
新銀行東京は、石原知事のトップダウンで都が一千億円を出資し、二〇〇五年四月に開業。今年三月期決算では累積損失が一千億円にふくらむ見通しから、都に追加出資を要請したもの。
松村氏は、追加出資に対する都民やマスコミの批判の声を紹介し、新銀行の再建計画が専門家から信ぴょう性を判断できないと言われるようにずさんなもので、「再建の見通しもないのに経営を続け、傷口を広げる」と批判。さらに、新銀行は高金利で貸し出すなど、中小企業支援という存立目的から大きく外れており、「出資する意義はない」と指摘しました。
また、三月期決算の見通し、不良債権の状況と処理についての情報公開と、金融庁に対し厳密な検査と指導を要請することなどを求めました。
松村氏は、石原知事が経営破たんの原因を旧経営陣に責任転嫁している点について、「素人の思いつきで始めたいいかげんな計画でスタートさせたことこそ、最大の原因だ」と指摘。知事と大塚俊郎元副知事は私財を投げ打ってでも、責任をとるべきだと迫りました。
石原知事は、追加出資について、「限られた選択肢の中では、これしかない」と弁明。自らの責任については答弁を避けました。
松村氏は再質問で、一千億円をドブに捨てたことについて「謝罪は一言もなかった」と批判。「知事が簡単に撤退できない銀行業に十分な成算もノウハウもなしに乗り出したことこそ、諸悪の根源」「制度融資ならずっと低利で、四百億円の預託原資があれば、四千億円貸し出すことができる。その方が中小企業が歓迎する」と迫り、知事に答弁を求めました。石原知事は自らの責任問題なのに答弁に立たず、議場は騒然となりました。